行雲流水の如く

 梶浦直樹の日々雑感

東京大空襲から七十五年。

三月十日(雨)

 

七十五年前、昭和二十年三月十日、米軍が東京上空から爆撃を行った。東京大空襲である。この大空襲で、一瞬にして十万といわれる非戦闘員の日本人が亡くなった。その年の八月には広島に、長崎に原爆を投下した。これで日本は米、英、ソの連合軍に敗れた。翌年に、極東軍事裁判が市ヶ谷駐屯基地で行われ、日本は一方的に、人道に対する罪、平和に対する罪で裁かれた。しかし、日本にその罪を問うならば米軍の東京大空襲、原爆投下、ソ連の不可侵条約を一方的に破棄し、日本に侵攻し、日本人を殺害し、婦女子への乱暴狼藉も裁かれるべきである。今、政治家で極東軍事裁判を語るものは皆無である。ソ連の侵攻を語るものも皆無である。今一度日本人は、極東軍事裁判とはなんであったのかの総括が必要なのではないか。