行雲流水の如く

 梶浦直樹の日々雑感

日本人には耳の痛い話である。

十二月十五日(晴)

 

寒い、とにかく寒い。ということで事務所で四時までひたすら籠城。そろそろ年賀状の準備をしなければ。

 

 国家安全維持法で現在収監されている民主活動家の周庭氏が「そもそも日本のように民主主義が誰かから与えられた国はないです」とこぼした。「激しい社会運動があって、ようやく民主主義を手にした国が多い。自分の行動を通して日本の人たちに民主主義の大切さを伝えたい」と日本人にメッセージを送っている。我々日本人には耳の痛い話である。

 

彼女は現在二十四歳。日本人のこの歳の女性が一体どれくらいの民主主義、平和、自由を考えているのだろうか。いや、若者に限らず日本人の多くが考えてはいないだろう。日本は、民主主義、平和、防衛、権利、憲法も自らの手で勝ち取ったものではない。周庭氏の言う誰かから与えられたものそのものである。もし日本人自らが勝ちとったものならばきっとこんなに粗末にはしてこなかったに違いない。

 

 ダッフィーが一番好きな妹が入院でいない。夕飯の支度で姪っ子も散歩に行けず。心なしダッフィーは元気がない。散歩も途中で引き返す。晩飯を食べてから風呂に入り、延期になっていた全米女子オープン最終日を見る。最終日、単独首位に立っていた渋野日向子はショットが乱れ、首位陥落。優勝したのは無名の韓国人選手で初出場のキム・イェリム選手。最終組から二組前でプレーをしていてバーディーラッシュでホールアウト。後続を待つが、一打及ばずで二位も韓国人選手のコ・ジヨン。韓国人選手の底力と層の厚さを見せつけられた。渋野日向子はパープレーで回ることができていればプレーオフもあり得た。結局二つ落とし、1アンダーフニッシュで二打及ばず。