行雲流水の如く

 梶浦直樹の日々雑感

朝からうひょーっとなる。

九月六日(晴)

 

朝、事務所に行くと父親の知人が来ていて私が事務所に入るなり、もう使わないから使ってと竿とリールの二本セットをいただいた。それもシマノサーフリーダーという高価なもの。十数年前に職場の仲間と釣りをするので買ったらしい。もう退職をし、釣りもしないしどうかなと思って持ってきたという。どうかなもなにもこんな良いものを。サーフリーダーは二十数年前から私も使用していた。しかし今年の鮭釣りでぼけーっと寝ていた一瞬、鮭に一本竿を持っていかれた。

 

その後、ショックを抱えたままヤフオクで中古のサーフリーダーを落札した。その落札していた竿はあちこちに傷や汚れが目立ったがまあ中古だしいいかと思っていた。ところがこのいただいた竿は大事に使っていたのだろう新品に近いくらい傷も汚れもない。子供がおもちゃを与えられたように事務所でニヤニヤしながらずっと眺めていた。感謝感激雨あられとはこういうことか。家に帰っても、竿を伸ばしたり縮めたりして眺めていた。昔は躊躇せず買えたのに今の私には到底買えないセットです。

 

この知人、実は私が三、四歳の頃に函館から住み込みで働いていた。私が小学生の高学年頃に職場の事務員さんと結婚をして家を出た。私がまだ小学校を上がる前、親からもらった百円札を破いたことがあり、それに怒った知人は私を馬小屋に連れてゆき、足に縄を縛り、天井に吊るしたことがある。最近その話をしたら覚えていないと言われた。大体やった方は忘れてやられた方は覚えているものです。もう五十数年前の出来事。また小さい頃は絵も教わったことがある。

 

今日の夜は回天を題材にした映画「出口のない海」と「きけ、わだつみの声」の二本を見る。